新選組!

さらば友よ!山南敬介との別れ
を今更ながら読み、堺雅人氏のキャラクター観に深く共感した。まず、自身の山南役について、

南らしさの1つに“微笑み”というのがありますが、あれもしだいに変化してきているんですよ。最初は、エリート臭を漂わせた冷笑でした。北辰一刀流の道場から、試衛館というマイナーな道場に来て、「私は、あなたたちとは違うんですよ」という記号のようなものですね。微笑みというのは、こちらから何も要求しないかわりに、逆に相手の要求を拒むものでもあるんです。本当に親しい関係になったら、わざわざ微笑むこともない。だから、人に対してある距離を置いた心理状態なんです。

とさらっと言ってしまう。きわめつけは近藤へのメッセージで、

存在としては「ゼロ」、キャラクター的に「俺が、俺が」というところがないわけですが、そこが近藤のすごくいいところで、同時にいま近藤を演じている香取慎吾くんのいいところでもあるような気がします。すくなくとも「受け」の芝居だけを、これだけ長く続けているすごさを感じます。

と的を射た発言。ところがこの「ゼロ」とか「受け」のおかげで新選組!はあんまりドラマチックじゃないわけであって、そのつまらなさの原因にさらっと言及できるのは凄いと思う。