2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

芸術は0.1ポイントに宿る

(один) 数週間前に、松岡修三がヴィルジニー・デデューの様子を特集しているのを目にした。フランス人のデデューは、2005年世界水泳のシンクロナイズド・スイミングのシングルで芸術点10点満点を得点し、ロシアのイシェンコに完全勝利して金メダルを獲得し…

同人誌はなんで「パロディ」として語られないのか、とか(高橋×望月感想)

さて、わたしは文学生でありつつもここでは漫画研究のひと、という位置づけなので、漫画の話も交えつつ、昨日書ききれなかった感想を書く。拝聴して、高橋さんと望月さんは、すれ違ってはいなくとも、立ち位置が全く逆だと感じた。そして私は望月さんのいる…

高橋源一郎×望月哲男『テクストと読者 ―〈読み〉の在り方を問い直す―』講演会レポート

1月14日日曜日に開催された講演会に(珍しく)行って来ました。私にとって高橋さんは一連の日本文士パロの人、望月さんは『ドストエフスキーの詩学』の訳者さんという認識で、こりゃあ行かない訳にはいかんだろう、ということでお邪魔しました。教室には80名…

わたしの日記のテーマソングに選定したいわ!

マリリン・マンソンが「This Is Halloween」を歌っているなんて知らなかった。 こんなことを言い出したのは、「ホーンテッド・マンション ホリデーナイトメア」に浮かされているから。ディズニー・ランドのマーケティング的な効果――つまり、映画の世界を忘れ…

勝手な思い込みによるBLと少年愛の違い

の、ひとつ。 あいかわらず『ゴールデン・デイズ』がそれはそれは素晴らしい。だってわたし多分読みながら震えていたんじゃない。うわあ気持ち悪い……。 よくわからないけど私の勝手な思い込みだけど思い込みだって断れば開陳してもいいわよね? なんとなくBL…

『隠喩としての少年愛』は“珍しく”批評精神溢れる少年愛/やおい考

誉めることにしよう。 なかなか信じてもらえないのだけど、わたしは目にしたものは大抵誉める主義なのだ。普段は「魔界のいい人」になるべく人の傷口を嬉々としてえぐり、好んで再起不能にしようと心がけているだけで……。隠喩としての少年愛―女性の少年愛嗜…

新年のご挨拶に代えまして

人間のいかなる出来事も、ひとつの意識の枠内では展開されないし、解決もされない。そのため、ドストエフスキーは、ひとつの意識の中への融合・溶解や個別化の解消を最終目的とみなすような世界観に敵対する。いかなる涅槃もひとつだけの意識にはありえない…