Das Phantom der Oper(聞き終わって)

 わかりやすいまとめ
バトラー・ファントム=同情+セクシー
クロフォード・ファントム=同情+狂気
ウヴェ・ファントム=同情+誇り

前々から、ジェリーは同情しすぎてファントムの狂気をあまり表現していないのが気になっていた。例えば「いつかきっと後悔するだろう!私を裏切り、否定したその日を!(You will curse the day you did not do all that the phantom asked of you!)」の後、舞台でクロフォードは笑う。アーッハッハッハッハッハッハッハ!アーッハハハハハッハハッハッハッハハ!GO!といってシャンデリアを落とす。カルロッタがカエルの声になった時も笑う。フハハハハハハハと笑ってブッケを殺す。そういった笑いは映画では全てカットされて、ファントムが人を殺したのは狂気の所為ではなくて彼の子供時代の所為になってしまっている。その代わりジェリーには誰にも負けない肉体があるし、そんなこんなで「Point of no return」はあそこまでエロティックになったんだろうけど。しかし最後のシーンのバトラーは、クリスティーヌに捨てられたように見えてしまう。そしてクロフォードは拒絶されたように見えてしまう。
その点ウヴェは「Point of No Returen」を上手く引き継いでいた。そこで彼はTriumphを収めており、彼女の愛を手に入れていたのだろう。彼女の選択の裏で勝ち誇ることが出来たのは、自分の気持ちを伝えることが出来たという達成感の成せる技ではないか、とそう思った。

*自分が言うまででもないですがオペ怪には100人役者がいれば100人のファントムがいるので、その表現によって二人の関係が変わってくるのが見所だと思います。また100人リスナーがいれば10000通りの解釈があってよいと思います。