エヴィダモン・ヴィランクだもん・革命記念日だもん 男泣きのツール・ド・フランス第10ステージ

エヴィダモンっていうのはおフランセ語で「モチよ当然」みたいな意味らしいんだけど、宮本あさかさんの情報で、クイックステップ・ダビドモンに所属する天下のイグアナ顔クライマー、リシャール・ヴィランク様がスポンサーの栄養ドリンク会社ダビドモンの会社のCMに出演なすって「ダビドモン・エヴィダモン!」と声高々に満面の笑みでオヤジギャグを飛ばしていたと知り覚えました。だから普通の人はフランス語というと「ボンジュール、ボンソワー、メルシー」なんだろうけど私は普通に「ガリビエ、トゥルマレー、エヴィダモン」となるわけです。前二つをフランス語とするかは別として。
去年より2日早いハズのツールの日程ですが、山岳ステージは大きく後ろにズレています。去年ベロキが落車したのが、実は今日なんだって。ちなみに、ヴィランクが大逃げして買ったのは第7ステージ。ここでマイヨジョーヌを獲得して、次の日の第8ステージでラルプデュエズで失ったんですね。一方今年は第10ステージでようやく山岳。リモージュ〜サンフルー間の237キロのコース。わーいピレネーヽ(´▽`)ノと喜んでいたら、実はこれは中央山塊と呼ばれるところ。ヴォルビックの産地?だそうです。
 
さて、国際映像の配信が始まると共に、とても激しい展開。集団はまるで、「唐辛子」みたいな形になっています。へたの部分が慌ただしく蛇行し、前にいる選手が逃げの機会を伺っています。しかし何せ、10人ほどが逃げを企み、その後ろで逃げを阻止しようとする人々がいるので、中々決まらない…。何度も失敗を繰り返します。そしてようやく5人が抜け出し、その中にリシャール・ヴィランクもちゃんと入っていました。他の有力選手は、山岳賞をピンポイントで狙うことはしないよう。ヴィランクにとっては大ラッキー!
気がついたら、以前紹介したエディ・メルクスの息子アクセル・メルクスヴィランクが二人で逃げていました。
二人は中々いいコンビのよう。先頭交代しながらプロトンとの差をどんどん広げていきます。二人で山を9つ越えるのは難しいかな?と思ったけれど、アクセルは山岳ポイントには全く興味ナシの様子。ヴィランクがスムーズにポイントをゲット出来たので、逆にストレスがなく良かったのかも。アクセルは調子が良かったので飛び出してみた、あわよくば総合タイム差を縮めたり、ステージ優勝したい、とのことでしょうか。現地時間12:30分頃、先頭交代をしながら食事をしているヴィランクが映ると(自転車の上で食事をするのです)、ヴィランクは食べているクッキーのようなものをアクセル・メルクスに見せ「旨いよ。いる?しゃあねぇなぁ、じゃあやるよ。ってやっぱあーげない(パクッ)」という演技を台詞なしで演って見せます。正直あまりの可愛さにもんどりうちました。まだまだ余裕のよう。
一方、先頭二人の山岳ポイントのおこぼれを巡って、実力者クリストフ・モローと山岳賞ジャージ・ベッティーニが3位を争いあいます。結果は常にモロー4位。しかしその甲斐あってかモロー先生は山岳4位の座をがっちりキープしました。
集団先頭はマイヨ・ジョーヌボエックラーを擁するブリオーシュ・ラ・ブランジェール。フランスの山崎パンのような存在らしく、パン屋と呼ばれています。ボエックラーは序盤から相当苦しそうですが…なんとかやっている様子。ランス・アームストロングUSポスタル勢に護られつつ、一時のメカトラブルも何のそので復帰。ウルリッヒ、モローはアシストなしで先頭付近をキープしています。正直、このステージをパン屋が引いてくれて助かったかも。
 
ここで私が千切れてしまいます(笑)
 
起きたらヴィランクが一人で走っていました。アクセルはプロトンに捕まってしまい、ヴィランク独走!9つの山岳ポイントがある難ステージを平均時速40km/hで駆け抜ける超人っぷりを見せつけ、あっさりマイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ獲得。お決まりの天を指差すポーズは今年は両手で。しかもヒーロー・インタビューでは涙、涙の男泣き。死んだ大切な人に勝利を捧げるとのこと。
プロトンは分裂した模様、その第二集団になんとツァベルが!!マキュワンには絶対出来ない芸当で、ゴールスプリントに直行!!
と思ったら……
何故かチームメイトでドイツチャンピオングレーデンが滑り込む……ヴァカですか?結果ツァベルは三位、でも。4位にはボエックラー、そして5位には何故かランス・アームストロング。丁度一年前もランスはスプリントをしていましたね。しかしツァベル、これで大躍進!

1 Robbie McEwen (Aus) Lotto-Domo 195 pts
2 Erik Zabel (Ger) T-Mobile Team 185

マキュワンさえ明日ついてこなければ、マイヨ・ベール獲得!待ちきれません!!さすが登れるスプリンター、帝王ツァベル
第三集団(+7秒)にはサエコシモーニフォナックのハミルトン・セビリャのコンビ、そして我らがモロー先生もいたとのことで、ますますツァベルって、スゴイ人。
表彰台では嬉しそうなフランスの英雄が見れて今日は大満足。まさにヴィランクの為にあるようなステージでしたね。水玉を着せたら世界一♪本命どころは、まだ先が長いし、ここでアタックを掛けるには今日のステージは厳しすぎて長すぎた、といったところかな。山頂ゴールまで大きな動きはないのでしょうか。
とにかく明日の見どころはツァベルです。