オペラ座の怪人 ケン・ヒル版

ロンドン・フリンジの鬼才ケン・ヒルがALW版に10年先駆けて発表したバージョン。19世紀の雰囲気を伝えるためにクラシックの名曲の歌詞をリライトして組み込んでいる、というケン・ヒル版。ALW版とは全く違うということで見に行ってまいりました(当然!)。
で、今日5時からも特集をやっていたからみたんですけど、まぁ評価は中の上くらいですね。ちょっとコミカルでした。ただし何曲か非常にいい曲があって、ええと墓地で怪人が歌う歌、それと最後、クリスティーンとラウルがくっついたのをしって怪人が二人と共にそれぞれの愛を歌い上げる歌、そしてみんなが死んでいくところの歌ですね。プログラム見れば曲名わかるんですけど、メンドクセ。逆にラウルの見せ場であるHow Dare She?なんかは大してよくなかったです。怪人の歌は大抵良かったな。
面白かったのは、怪人の扱い。怪人が完全に恋愛対象から外れるような猛烈に醜い容姿だったんですね。もともと怪人はほぼ顔の上半分全てマスクをかぶっているので、半面だけのALW版とは大きく印象が変わるんですが、マスクを脱いだ姿も、こちらの怪人は強烈。それに、ALW版の湖のシーンは、やや後の墓地のシーンにずれ、怪人は最後まで姿を現さないので(マスクを取られるのなど2幕の最後)、怪人のコンプレックスや悲しさに気づくのがひたすら遅く遅く伸ばされて、結局、アホキャラ・ラウルとクリスティーヌの恋愛にちょっかいだす怪人、邪魔!という感じになってしまっていました。ALW版は観客も引きずられる、微妙な三角関係だったと思うんですけど。
エンディングも全く違って、あの無理矢理な終わり方よりはALW版のブツ切れ感が好きだなぁと思いました。
 
怪人ってペルシア出身なんだ、とびっくりする一本。