ドラゴン桜 1〜7巻 漫画と学習の新たな可能性に向けて

ドラゴン桜(7) (モーニング KC)

ドラゴン桜(7) (モーニング KC)

面白い。
マジで面白い。オススメ。
勉強大好き、受験生活を懐かしむガリ勉タイプの私は、この漫画を読んで東大を受けたくなってしまった。「東大合格請負漫画!本屋さん、ぜひ参考書コーナーに置いてください!」ということだが、これは紛れもなく参考書である。まず着眼点が良い。英語などに比べて、大学受験メソッドはあまり確立されているとはいえない。そこで「ドラゴン桜」は、漫画という物語の形を借りることで、読みやすさと受験生以外の読者取り込みにも成功している。しかしやはり、これは参考書だ。というのも、話はとても凡庸で、プロットも平坦である。教師陣もありきたりで、学習法が先にありきでそこから触発された教師像のようにも思える。所々で指摘されているように、絵は下手、そして生徒二人の反応は紋切り型の素直なものである。だが、そのような中で勉強の行き詰りや反抗心、目的意識を失い宙ぶらりんになることをどう防ぐのか、という点にさりげなく触れている。
また、教育問題に関しての意義申し立ては、参考書の枠をややはみ出すものであるかもしれない。「とりあえず東大に言っておけ」という誰も言わなかった本音は、堀江社長の効果もあってか、今とてもマトモな提言に思える。その他、教師の意識低下や授業の悪いループについても触れられている。
しかし、やっぱりこの漫画は参考書として使うべきではないか。
何も受験だけではなく、日ごろ生きる時に気をつけたり、視点を変えたりするためのヒントが沢山詰まっているように思えるのだ。ちなみに、英語学習法の「100例文暗記」には大賛成である。