杖と翼 6巻(完結) まさかもう完結するとは思わなかった

杖と翼 6 (プチフラワーコミックス)

杖と翼 6 (プチフラワーコミックス)

6巻で完結するとは思っていなかったので、気楽に読み進めていってショックを受けた。
最近幽☆遊☆白書を読んで、キャラクターが死んでも死んでも生き返るのに慣れたせいか、キャラがギロチン送りになっても、どうせどこかで脱出したり、生き延びて中国大陸でチンギス汗になってアルトジンとくっついたりするのではないかと思っていたが、違った。
いきなりギロチン送りになったと聞かされ、帰ってこない。
それどころか主人公はギロチン送りに間に合わず、助けることも出来ずに人づてにその話を聞くだけ。
「うそでしょ?」
死体を見るまで納得できない私は主人公カップルと一緒に死体搬送車を襲う。そして彼の生首を見て、漸く本当にそのキャラクターが死んでいるのだと認めざるを得なかった。知らぬ間にギロチン送りになっていたという設定は妙なリアルさとやるせなさがある。5巻でそれだけ入れ込めるキャラクター像を作った木原さんの腕は認めよう。
 
しかし、いくら私が木原敏江ストーリーテリングに慣れていない部分がある、といっても、主人公たち同様、時局に取り残された感じがしてあまり入り込めない最終巻だった。あと一巻つかってもう少し心情を書き込んでも良かったかもしれない(まさかフラワーズで打ち切りもないだろうし)。伏線も最終話で無理矢理消化している感があった。リュウの顔もどんどん変わっちゃって、最終話なんて殆ど出番なし。作者はサン・ジュストの方に思い入れがあったのだろうが、今までの見せ方では読者はリュウの方を向いてしまうのではないか。そういった、見せ方の不安定さも否めなかった。
名言

革命家の休息は墓の中にあるのだ(サン・ジュスト