キョンキョンがドツボだった件

そういえば、一応参考程度にフルバ15巻をチラチラ見ていたんだけど、一番最後の回は夾ナレーションの回だった。そこで、劇であるシンデレラのセリフが夾の人生にカブって思わず止めにはいってしまった透をみて、夾が透の気持ちに気付きかけるんだけど(透は鼠だと思ってる人はあと25回読み返しましょう。完璧猫です。勝った!)、最後の最後で「(透が自分を好きだなんて)そんなはずはない そうかもしれないと思う自分を許さない」というモノローグが入って、ほう、と唸る。やっぱり「怪物」には自己愛も他者愛も不可能なんだなーと。メッシュは自分を「人間ではない」と思っているし、アッシュは自分を「人間でない生き物」もしくは「何も感じず人を殺す怪物」と思ってる。二人とも父親を殺さなくちゃ自分は人間になれないと思ってる。それは間違いじゃないんだけど、その決着をつけると今度は母親に取り込まれちゃう。レヴィ・ディブランは自分を「薄汚い淫売の産んだ私生児で人殺しよりも非道な極悪人(うろ覚え)」って規定していた。ジェルミも「怪物になるんだ」とかゆってた。ここに出てくる全員の母親は淫売とか言われてた。キョンキョンの母親のことはうろ覚えなんだけど(キツい人だった気がする)、この子は本当に「怪物」なんだもんなァ。そりゃそういう風に思うよね。って、カルノも本物の怪物か。あと、ISBNからたどれるよーにリンクしとくね。

ユリイカ2006年1月号 特集=マンガ批評の最前線

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