すきだけど 人種差別わかんない 『クラッシュ』

クラッシュ [DVD]

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役者がとても良い。というか、元々役者目当てで見た。マット・ディロンドン・チードルサンドラ・ブロックライアン・フィリップ、それにリュダクリスリュダクリスが役者として活動しているのを見るのは初めてなんだけども、ウィル・スミスから始まりエミネム50 CentIce Cubeなどなど、なんで「ラッパー」てのは演技と親和性が高いのだろう、不思議。私はヒップホップ好きというほどではないし、というかカルチャーとしてのそれには全く属していないんだけども、その精神と音楽はフツーに共有しているので、もちろん彼らの活躍は好ましい。だけどだけど青春をロックで過ごしてしまった私は、ロックミュージシャンが映画とか演技にあまり高い親和性を示しているとは思えなかったことを思い返してしまって「この違いは何なんだろう」とちょっと考えてしまう。それにしてもリュダクリス、にくったらしい役を上手いこと演じていた。
さらに言えば上に名前を出していない役者さんがもっと良かったので驚いた。世界広い、アメリカ広いわ。一番好きだったのはTVプロデューサーのひとで、あの人の落ち着きっぷりはナイス。ただし、たぶん途中で黒人英語を喋りだしたシーンがあったと思うんだけど、字幕では全然伝わっていなかった。その点で、英語字幕がついていないのが致命的にアホすぎる。鍵屋のひとも好きだった。あれはプエルトリコ系の方なのかな。
見てて思ったけど、人種がやっぱわからん。黒人に思える人が白人扱いされてたり、白人に思える人がプエルトリコ系扱いされてたり(これは日本人だから感覚がないんだろう)。マット・ディロンの新しい相棒が「ゴメス」だったのは何か意味があるの? それとも彼は黒人だけを差別しているんだろうか。
そんな感じで微妙に対岸の火事感があることは否めない。ああでも、役者がみんな憎しみのままに怒鳴りまくるのでよかったとしか評価しようがない1本。