いやー面白い映画でした。

途中のコロンバイン校のシーンではずっと泣いていた。別に、泣かせる作りには、なっていなかったんだけども。怖くて。別に、血が吹き出るわけでもないんだけども。
私がこの映画の趣旨に賛同できるのは自分が右よりは左に傾いているからだろうけど(対北論では右の方に頷かされることが多いが、そもそもチョムスキーが好きでおまけに被爆三世に生まれてしまったのだ、新聞もアレだし)、ムーア監督ほどのファイトはない。ちょっと叩かれたくらいでサイト消しちゃうような小心者だし…。
どっかで言われていたマリリン・マンソンのインタビューは本当に最高でした。やっぱり「最後のロッカー」なだけあります。彼の言っていることは、皆がいつも目にしていて、その意味に気づいていないこと。でも彼は気づいていた。そして、それに「気づきたくない」マスコミによって攻撃される。彼が攻撃されるのは、分かりやすい「敵」だからロックをやっているから以上に、皆が気づかないでいることを、気づかせてしまうからじゃないかと思いました。
それに、ブラックジョークも面白かったです。感動したのがルイの方のアームストロングの「What a wonderful world」の使い方!私も今年のツールの100ans記念フィーラーの影響でこの歌のサラ・ブライトマンver.を歌いまくっていましたが、よくワナワンダホーワーのところで自分の頭に銃を向けるアクションをしながら歌ってた(気狂いみたいだ)。
この歌「綺麗過ぎ」る。私が知ってる歌の中で一番綺麗なんじゃないのかな。非の打ち所がない。でも、実際は、空は青くても濁ってハリウッドのシンボルが見えないし、赤いバラは花屋でしか見たことはないし、人々は既にHow do you do?と言わなくなっている(もしくは言ったら銃をぶっ放される)。そういった、反対の意味を予感させる歌なんですよね。
結局ムーアが告発したのはメディアのアメリカの銃問題に於ける責任――だと思うんですが、その意図的に「編集」されたメディアに対してこれまたムーアが意図的な「編集」をしたら意味がない。だからムーアは体当たりする。自分の見てきたことだけを信じる。その姿勢は素晴らしいと思いますが、一つ。「白人の犯罪件数と黒人の犯罪件数」「全体に対して重犯罪者が生まれる白/黒人の割合」この二つだけは示して欲しかった。(もちろん検挙率に左右される数字だけど)。あとは特に不満はないです。