プラネテス2,3(最新刊)幸村誠

2.ISBN:4063287785
3.ISBN:4063288633
私は東京が舞台のマンガより、ドイツのギムナジウムとか、SFが舞台の方が楽しめることがままあるのだけど、それはヨーロッパが好きとか宇宙船に萌えるとかでは全然なくて、往々にしてそういった「非日常の舞台装置」が、私たちを日常から切り離し、この身体や性別や国境や身分や時代や世紀を超えさせてくれるからだ。そして、それを超えてもなお残るのはナマの精神、ナマの肉体、ナマの感情や愛、その他の様々なナマもの。事柄をネイキッドにして私たちの前にドドン!と出してくる、そんなマンガが好きだから、私は「非日常の舞台装置」を愛してやまない。
その点で、このマンガは私が一生忘れられない最高のマンガ。広すぎる宇宙とちっぽけな自分。そして主人公ハチマキは「自分への怒り」を武器にその巨大な空間を開いていこうとする。そこに入り込んでくる、「愛」が口癖の女・タナベ。当然ハチマキはこいつと対立します。ハチマキの「パワーの根源の部分にズカズカ入り込んできてひっかき回しやがる」。そしてハチマキの宇宙観が崩れていく――。

(以下感想)とりあえず、2巻、タナベがムカつくムカつく!もう、正論なのはわかるけど、ハチマキに感情移入して私は宇宙に行くんだからヨケーなこと言うな!ウルセー!とか思っていましたが…3巻。全然むかつかなくなるから不思議。サリーかっこいい。フィーもかっこいい。評判の悪い?精神迷宮編が一番面白い。もうとにかく、人間素っ裸!宇宙とタイマン。読んでよかった。