渡辺多恵子 対 三谷幸喜

は〜い世に蔓延る少女漫画マニアの皆さんならご存知渡辺多恵子がなんかまーた面白いことしてくれたみたいですよ。三谷氏の『新選組!』をオフィシャルHPで

ご承知の通り、私は25年のキャリアを持つ娯楽マンガ描きです。 その観点から『新選組!』をたとえると、<めちゃくちゃ絵の上手い同人作品>なんですね。 つまり<プロ>のレベルじゃないんです。

とバッサリ。[全文] 普段から漫画のあとがきコーナーで「自分は新選組の新参ファンだから古参ファンに疎まれる」と愚痴ばっかたらしているくせに「偉そう?でも私の方が先輩だも〜ん。エンターティナー作家としては。/笑
 
新人いびってストレス発散ですかオバサン。
 
たぶん突っ込みどころはざっと数えただけで435箇所くらいありますからあんまりマジレスしないでおきます。個人的に気になった多恵子タソの暴走。

ウチの総司はね、自分の殺した相手の返り血を浴びなかった事を、<誰も見ていない所で確認して一人ほくそ笑む>ような事は断じてしません(誰かにその姿を見せる為にならするかもしれません。例えばそれで仲間の緊張感をほぐせるというような状況があれば。)!!
三谷総司には人を斬る事への痛みがないんですね。 こういう描写はマンガの世界には当たり前のように描かれているけど、それでさえも私は好きになれません。 だってそんな人正常な人間じゃないと思うもの。

世界一のエンターテイメント作家冨樫義博をも侮辱するこの発言(笑)
 
私は無謀にもマーガレットで新選組モノを連載しようとしたきらの『だんだら』が不思議で割と好きでした。風光るも嫌いじゃないですけれど、同じことの繰り返しで飽きます。エンターテイメントを自称する作家にはやっぱりそれ以上のものは描けませんね。風光る全巻あわせて『半神』(16P)くらいの衝撃かな。

で、三谷氏が朝日新聞の連載でこれに応酬したとのこと。

新選組を扱った作品を連載している著名な漫画家が、ホームページで僕のことを辛辣に批判している、とファンの方が手紙で教えてくれた。別に教えてくれなくてもいいのだが、知ったからには見ないわけにはいかない。早速インターネットで検索してみた。それは僕が今まで読んだ、僕の作品に対するあらゆる批評の中で、もっとも厳しかった。自分の作品と比べると「新選組!」は同人誌レベルだとバッサリ。めまいがした。お前は素人だと言われたようなものである。僕も脚本家としては中堅、この歳で素人扱いされることもあまりないので、ここは先輩のエールとしてありがたく受け取っておこうと、大人の判断が出来るまでに二時間掛かった。

おかわいそうです。まぁでも風光るっていうのは典型的なご都合主義ジェンダー越境の作品で、神谷清という名で女子が新選組に入隊して、沖田総司だけにはバレてしまうというアレな展開なんですけれども。ベルバラみたいに男として誇りを持って生きたりオル窓みたいに隠したりしないで『花盛りの君たちへ』とか『ミントな僕ら』『風光る』みたいなのがモダンでハイファッションなジェンダー越境なんでしょうよケッ。だからその点三谷先生は何も気にする必要はございません。先生みてるかー!?
 
しかし、『新選組!はファンの目を意識しすぎて失敗、私は新選組ファン以外を読者に想定している』って、新選組ファンの多恵子タソが三谷氏を批判して新選組初心者の私が三谷氏を擁護してるってなんかおかしいって思いませんか渡辺先生?