近況&イラク人質事件について

朝起きたらニュースは全て終わっているし、帰って来ても食事をしているうちに終わってしまう。そんな中でマスコミがどのようにこの事件を報道したのかは全くわからない(わかりたくもないが)。その点ネットに関しては、過去の記事が参照できるのでありがたい。
自作自演説などは自分では決して思いつかなかったので仰天した。もちろんその説もそれなりのソースと根拠があるようなので、次第に唱える人の気持ちも解ったが。
私はあまり政治的な話をここでしたことがないけれど、それは右傾化しているネット論壇が怖いからだ。私はどちらかといえば左の人間である。イラク派兵には当然反対している。

だが今回の事件に関しては、ややこしい事が起こったなぁという印象だ。
まず、これは多くの人に指摘されているであろうことだが、(主に撤退派の)ヒューマニズム溢れる感情論の問題。私は到底それに組することは出来ない。例えば文芸ジャンキーの中の人は、手塚治虫とドストとジョジョ愛する人間賛美者だ。だからこそ彼の言い分は、(適切とは言い難いにしろ)非常に彼らしい言い分だと思う。だがネット上で散見される、「(三人を自業自得だと言う人は)思いやりがない」「日本人失格」「気持ち悪い」といった言葉や、救出を願う誘拐関係者の人々からの同情の強要には薄ら寒いものを感じる。
冷たいことを言うようだが、三人の誘拐とは関係なく、自衛隊を派遣することには疑問が多く残る。自衛隊には(行ってしまった以上ある程度働いてから)早々に帰ってきて頂きたいが、それはあくまで三人が誘拐されたから、であってはならないとすら思う。ちなみに派兵反対と撤退はまた違った意味を持ってしまうので、今すぐ撤退すべきとは思わない。賽は投げられてしまった。
感情論まかせの三人の邦人誘拐に託けて自衛隊撤退論を打ち出そうとするからややこしいことになるのだ、というのが私の見解だ。
もちろん↑のような議論に対して「詭弁」とか「議論すり替え」という右の方々には、そもそも詭弁を繰り返し繰り返しで自衛隊イラクにまで行ってしまったという事態を思い返して頂きたい気もするけれども。
 
私くらいの年齢だとネットを始めてから右傾する人間というのは割と多い気がする。今や左翼的な言動をするだけで工作者と言われ、一方右な言動は決してそんなことを言われない状態になってしまった……コワイヨー
自作自演説については、本当にありえないと言い切れるならば、「右の人々も随分柔軟な発想力を持ってるね」で済ませられるのだが。中日新聞の記事も、朝日と同じく眉に唾をつけて読んでおくことにする。つまり保留。
以下、頷いた意見。

  • 「撤退しなければ人質を殺す」と言われたのならば、「なぜそんなことをするんだ。私たちはあなた方を支援しにきたんだ。誤解がある。話し合おう」というのがまっとうな反応でしょう。小泉首相の「理由がない。撤退しない」という対応は、愚かというほかありません。たとえ「人道支援」として派遣された自衛隊アメリカ軍の占領補助として行動しているとしても、交渉戦術として行えばいいことです。私はこの対応は自衛隊を撤退させる以上に日本の外交ポイントを低下させたと思います。なゆたさん
  • しかし、まさか自衛隊員に犠牲者が出る前に、民間人が馬鹿らしい拘束を受けることになるとは思わなかった。何とも迷惑な話になったものだ。切込隊長
  • いらく・読冊日記