お返事系。
返事してきます。遅れたのでここで。
# あとり 『「指輪物語」でフロドがゴクリ（ゴラム）を殺さないのは、無垢だからではないように思います。ゴクリが殺されそうになった時、フロドはガンダルフとの会話を思い出します。ビルボがゴクリを殺しておいてくれれば良かったのにというフロドの発言に、ガンダルフはそれはビルボの「情け」なのだと説明します。死者を生き返らせることはできないし、賢者でさえも先のことはわからないのだと。フロドはそれを思い出してゴクリを助け、それがあのラストへと繋がっています。私はそれを、「イティハーサ」と同じメッセージだと受け止めています。それぞれが異なる運命を背負っていて、だから殺してはいけない。もっとも映画ではこの価値観も描かれていなかったですが。それから、原作のフロドは美少年という印象はまったくなく、もっと中年だと私は思っていました。』
さすがでございます。私の引用が不完全だったのですが、高原さんもそのように原作を捉えられていた様です。で、映画をご覧になって初めてフロドの役割を理解した、フロドは美少年で無垢だった、と論を展開し、「無垢は今、かつてないほど求められている」という結論を導き出すんですよ。私なんかは安寧だなぁと思ってしまうのですが、どうでしょうか。
# hizzz 『規定「思想」ダケが最初からあって、「思考」がナイ大文字問題＝政治／思想は、強烈な磁力があるゆえ、ホント、価値不自由。自説の為なら「お涙」「人命」もトコトン使いまくる。しかしそんな磁力に魅かれてる渦中なひとたちが、そゆことに最も鈍感ってことで。ひとのハナシを聞かない「いらち」なひとが多いからさぁ、ヘタに発言するとすぐどっちかに「オルグ」カウントされちゃうんだよね〜。』
id:hizzzさんの、撤退派はそこで議論が停止している、というのは仰る通りです。ちなみに私は4/18日の天声人語みたいなのが一番嫌です。
個人的にはそれよりも、戦後すぐに広島に移り住んで、焼け野原のなかを広島のど真ん中にある小学校に通った母親の話のほうがとても印象深いんです。友達が原爆症で死んでいったり、原爆で焼け野原になった広島市内の話を、母親は幼い自分に対してたんたんと話すんです。なぜなら、それが彼女のリアリティだから。僕は小学校の教師よりも母親のあの過去を振り返る、諦念でもない回想のほうがやはり印象深いんですね。
聞いてよかった（笑）。
どこかで予想していた答えではあるんですけれど、私の場合生まれてすぐ一旦広島を離れて、また小学校低学年の頃に少しだけ行って、という生活をしていたので、あまりそういう空気を感じることが無かったんです（さすがに10に満たない頃に、そういう反戦教育はおかしい！というのは無理で）。
で、また他のところを点々として、高学年になって東京に来たんですけれど、そこでいきなり中心が（原爆ドームから皇居に）摩り替わったような違和感がありました。その違和感を大切にして生きてきたからこうなっちゃったのかな（笑）。いやでも、一年に何度も「ほたるの墓」とか「うしろの正面だあれ」とか見せられたのに、こっちに来たら「走れメロス」の劇とか、「西遊記」の影絵とか見るんですからビックリします。
ヒロシマと長崎の違いっていうのは何なんでしょうね、長崎って地理的にすり鉢型で、だから犠牲者が少なくて済んだ、という話で、実際いってそうだなと思いましたけれど。ヒロシマってもう何もないんですよね。寺を巡るのが好きで、ここら辺にはないかな？と聞くと、祖母が「原爆で全部無くなったよ」って。だから多分松谷さんの、「東京＝土着的（アインハインシュテッテン！ドイツ語！）」っていうイメージは良くも悪くも、ヒロシマ的だなぁと思います*1。東京では広島人、広島では東京人のフリする似非の私としては*2。
私も中学二年の時だか、祖母と一緒に資料館に行ったのが強烈に残っているのは同じです。私は嫌だって言ったんですけれど、実は祖母自身がそれまで思い出すから嫌だ、って言っていて。「いつ死ぬかわからないから」って行く気になったそうなんですね。彼女にしては一世一代の口説き文句だったのかも知れないですけれど、その証拠に今も元気ですし。で、こうだったあーだったっていう説明が今でもトラウマになっているわけで。
うーん何が書きたいんだ？
多分「個人的な体験がメディアによって希釈されて」とか「アーケード街に吊るされるガキどもの平和の絵が胡散臭い」とか書きたいんだろうけど上手く言えません、安っぽくなっちゃって。
ちなみにあの質問はid:TRiCKFiSHにてどうしてイラクについて全く触れないの？*3っていう遠まわしすぎる質問でもあったんですけれど、半分以上もう埋まっちゃって、これなら書かないでもいいよな、とか思ってしまいました。
アルター・ヒロシマの形成は難しいなぁ。
