はじめに。本当ならば語りたくない『ポーの一族』
『トーマの心臓』『スター・レッド』『メッシュ』『マージナル』に比べて『ポーの一族』についてこの日記で語ったことは殆どないのではないかしら。
『ポーの一族』について語るのは難しいし、そこまで意義のあることでもないと思う。
理由:
- テーマ性が薄く、萩尾自身抱えるテーマに無自覚である
- 従って、一連の短編作品群から共通のモチーフを探し、関連付けてテーマについて模索するlepantohスタイルが通じない
- 上記と関連して、テーマを突き詰める後期萩尾望都と違い、前期の萩尾作品特有の流れるような台詞・詩のようなモノローグ等「感性」に訴えかける部分が大きいので論理的に説明しづらい
- 歴史的名作らしいので思い入れを持った方々が一杯いる
などなど。
まぁそれでも、私なりの視点で語ってみることに意義があるかもしれんのでちょっと実験的にやってみようと思います。