|∀・)ミタヨー

まぁあんなもんじゃないっすか?文句はいくらでもつけられるけどそんなことしたってつまらないのでしません。あの、漫画の台詞を読むのは違和感だらけなんですが、バックに音楽があると違いますね。映画みたいなアングル〜と説明するところが綺麗でした。
個人的には萩尾さんの生い立ちより、もうちょっと手を広げてエドガーの萩尾文脈上の末裔であるエルグ(スター・レッド)とかに触れてほしかったなぁー。私は80年代の萩尾さんのファンなのでそこまで触れてくれたら感涙したと思う。
そして、今回一番の収穫は「肯定したかった」。
これは萩尾さんが異端児について述べたもんなんだけど、もうたまんないよね、だって全然肯定出来ていないじゃない。
ポーの一族だってスターレッドだって銀の三角だってメッシュだってマージナルだって、誰かが死んだり犠牲になったりして世界が再生する。
取り残されたエドガーはそのままオスカー(トーマの心臓・訪問者)やエルグやマーリー2(銀の三角)の悲劇につながっていく。
それでも「肯定したかった」という萩尾の願いが見え隠れしてるってのは萩尾作品最大の魅力だと思う。よく「終わりが不完全」と評される萩尾作品だけど、それは決して文学的余韻とかそーゆうチンケなもんのためじゃない。萩尾さん本人が「物語はまとまらないなぁと悩んでいるくらいがいいものが出来るんです」と語っていたとおり、彼女の物語は読んでいてどう完結するかさっぱり見当がつかない。そこで彼女は最大限の肯定にむけて物語を纏めようとする、が上手くいかない。
異端児は否定され、取り残される*1
少女は死ぬ。
そんなこんなで私は萩尾望都を愛すわけだ。
せっかくなんで近々珍しくポーの一族について書こうかと思う。あとまとまるくせにまとめない「蛇にピアス」にニードル百億と千億本ブチ刺したいと思う。

*1:代表例がメッシュ