おもしろルール「一人では勝てない」

自転車ロードレースはチーム競技だというと大抵の人が驚きます。そう!自転車は一風変わったチーム競技。ツールの場合、1チーム9人×21チームの188人が走りますが、そのうち優勝の「可能性」があるのは21人だけ……*1だといったらびっくりしませんか?これはチームの数。チームは背番号下一桁1を背負うエース1人と、アシスト8人によって成り立っており、基本的にアシストは自分の成績を顧みず、チームエースの総合優勝の為に、エースがトラブルで遅れれば待ち、ライバルが逃げ出せば追い、ドリンクを運び、タイヤがパンクすれば差出し……といった涙ぐましい努力をするのです。これがとても面白い。
ご存じないとは思いますが私は誰かが他の誰かのために献身する、という構図が大好き。だからこそ、彼ら献身的なアシストなしでは走れない自転車の構図が好きで好きでたまらないのです。
総合優勝、というのは21ステージごとのゴール時間を単純にプラスしたら一位になった選手のことで、黄色いジャージを着ています。つまり、21ステージの順位は全く関係ない。極端な話、一度もステージ1位にならなくても、毎日いいタイムでゴールしていれば、積み重なって総合一位になることもありえるんです。平地では殆ど差がつかないので、山が走れる選手でなければ優勝できません。誰もが憧れる黄色が似合わないかわいそうな人が、たまにいます……。

*1:実際はもっと少ないですが