ナデシコクラブ 1〜7(完結) ほんとに白泉社?な王道系少女漫画!

殆ど喋らない金髪睫毛が出てくる漫画。

ナデシコクラブ (7) (花とゆめCOMICS)

ナデシコクラブ (7) (花とゆめCOMICS)

わーん書影がでないならインタビューを載せてやる!というオススメ漫画。金髪睫毛の提唱者サカモトミクは新人で、ナデシコクラブに入っているデビュー時の短編はあまり面白くないのだけれど、この漫画はちょっと変わった王道っていう雰囲気で、面白い。
 
舞台は高校の家庭部(というアイディアもよい)。そこには美少年が4人(やっぱ4人ですよねぇ)。旧家の子息、清涼爽一郎(茶道やマナー担当)。クリーニング屋の息子、亘(宗司洗濯担当)。無気力金髪睫毛、ハナ(裁縫担当)。そして玲央と同じ1年生の杁中葉(料理&雑用&パシリ)。
そこに一人武者修行ならぬ“撫子修行”に来た主人公、玲央。彼氏に振られたのを切っ掛けに、大和撫子目指して女らしさを身につけようとするのだが、実は家庭部は、イケメン目当てで入ってきた新入部員がことごとく辞めていくほどの厳しさで有名でだった。部員は指導者役のイケメン4人と玲央のみ、はたして玲央はしごきに耐えられるのか!?
 
というストーリーなのですが、まずキャラクターがいいんです。唯一主人公と同学年の杁中葉はみんなに愛されるが故パシられるイジられ役だし、部長で生徒会長の清涼爽一郎(何て名前だ)は表面ばっか良くて腹黒いナイスキャラだし、その爽ちゃんのことを思い続けている優芽ちゃんはかわいいのに爽一郎に冷たくあしらわれまくって不憫だし、更には弟をいじくることが三度の飯より女より好きな俺様兄様杁中紅様*1は素敵だしで、濃い〜キャラに囲まれて主人公の存在感はあんまりないという罠に陥っている漫画なのであります。金髪睫毛年中無気力ハナ先輩と張る存在感のなさです。
しかしストーリーは普通の学園モノながら、フツーの悩みや人間関係を、周りの協力を得ながら解決し、少しづつ前に進んで行こうとする主人公には好感が持てます。そして先輩方がみんな俺様でいじめっ子なのに優しい…。そしてこの金髪下睫毛!これこそ少女漫画の鏡です。ひとつ、金髪下睫毛たるもの美形でなくてはならない。ひとつ、主人公とくっついてはならず、別の世界を生きていなければならない。ひとつ、別の世界を生きているが故、あっけらかんな主人公とはなぜか友人関係になっていなくてはならない。そう、金髪美少年こそ少女漫画のUnattainableの象徴なのです。ハナのようにいっつもコマに顔を半分だけ出しているのが正しい金髪の生き方なのです。
 
そう考えるとやっぱ金髪下睫毛の原点は花沢類です。4人一組も逆ハーレムもね。
 
名言

玲央「先輩たちと杁中くんがセミヌードで校内練り歩いてくれればぞろぞろと乙女達がついてくるよ!ハーメルンの笛吹きのように!」
葉 「バカ!そんなん寒いだろう!」

 
 
あとがき〜私個人としてはこの漫画大好きで100点あげてもいいくらいなんだけど、次回作が来ない。まえネットで「サカモトミクは新人としては有望。ただし白癬以外に移れば」と書いてあるのをみて、大きく頷いたのを思い出した。逆ハーレムものといえば、『桜蘭高校ホスト部』も主人公が周りの美少年たちにひたすらツッコんでいると聞いたけど、題名が恥ずかしくて買えない。恥ずかしい題名と言えば、『女子妄想症候群』っつー仮想ハイド萌え漫画を描いているイチハは、白癬に馴染んでいる様で、恐ろしきは家庭部ではなく出版社かな。

*1:でも紅は違う高校なので、4人のイケメンには入っていません、まさにジョーカー