フルーツバスケット 17 えーまたそういうオチィ?見飽きたんだけどぉ
金髪童子は出てきますが睫毛が足りません。睫毛を書け!
- 作者: 高屋奈月
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/05/19
- メディア: コミック
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さて、今度は私がネタバレしますので、未読者は逃げてください(矛盾)
そのネタバレっていうのは慊人なんですが。
正直「ああまたなの?」って感じですね。これはこれで見すぎて驚かないというか、少女漫画の出発点『リボンの騎士』とそもそもネタが被ってんじゃないですか(溜息)。私は『オルフェウスの窓』くらいでお腹が一杯になっちゃってましたよ。なーんか散々言ってますけど、女の子として育てられたフランソワーズことメッシュは、その為に強姦されてんですよ?んで、ラストはあの仕打ちですよ?それでもって、みんなして主体性と客体性のシーソーゲームの中で、道は二つなんですよ。自らの道を生きて死ぬか、自我崩壊するか。この世の(=漫画世界の)強制トラジェン・トラセク・トラヴェキャラクターは、その道をはずれる試みを繰り返してるっていうのに、「歴史的に」これから何を書こうって言うのか。その広大かつ深いジェンダー戦争の少女漫画史においちゃ、紅野の悩みが小さく思えて仕方がない。興味はありますが、内容によっちゃ『あなたとスキャンダル』以下の評価になります。自分にとって重大なテーマすぎるのですね。*1
更に、もう全ての人物がトラウマを背負っているのに、慊人の束縛癖の原因を更に母とのトラウマに求めちゃうのが無責任。ほんと、あたしらしくないこというけど、母親悪役にすればいいってもんじゃないだろー。主人公は母親を失ったっていうトラウマを普遍化させて、みんなに共感することでトラウマを一緒に癒していくというスタイルをとっているんだけど(実際十二支を癒す場面では母親の回想が重なる)、トラウマってそんなものなのかなぁ。
相変わらず猫派の私には嬉しい展開が続いているんですが、物語の焦点は最早鼠対猫にはない様子。一風変わったモノローグの使い方で多くの人物の心情を紡ぎだす手腕は高く評価。
でもなー。ラストの次巻予告、髪の毛をズダズダに切られて監禁されているリンと、ブチ切れてるハル。あのー、キャラクターは大切に…。
*1:追記・ただ、ぐれの慊人に対する「あなたは女を否定するくせに、すぐ女を使う」みたいな台詞の部分をグオグオ膨らませてくれるなら話は別です。しかし、ふるい。もうふるいんですコレ。手垢がついてます。