原獣文書8巻 コマ割りという言語を放棄するなるしまゆりの言語
- 作者: なるしまゆり
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2005/07/25
- メディア: コミック
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相変わらずページ平均4コマでちんたら進むなるしま漫画。
初期の頃はもうちょっとコマも入り組んでいたのだが、
いまや殆どのページが横に線を2,3本引いているだけ……
また同じく初期のころはもう少し大げさだった台詞回しも、
日常会話を日常会話らしく表現するようにしているようだ。
だからこそメインテーマが生きる、といわれればそうかもしれない。
今回もお得意の遺伝子モノ。
非常に客観的な見地においては 「死」とは生物が生きるために行う能動的な何かなんだ
というレイ・ジーンの考え方は、種族を保存するために大陸人を殺しまくったゼーンと同じような、それでいてどこか決定的に違うような。
私はゼーンが好きなんだけど、レヴィと一緒で死亡フラグが立ちまくっている気がする。
人間の認識する死と、生物学的な死にズレがあるように、人間にとっての生と、ゼーンにとっての生にはズレがある。種族を保存するためには、大陸人どころか自分の死も厭わない態度がミエミエで……
じゃあ残されたアルビレオとまきをはどうなるっていうの!?(まきをはいいけど)
モールドレはちょっと期待はずれだったけど、「バカ」と呼ばれるノアが盲目なのは印象的。
感覚の世界を愛せない盲目の真面目君。騎士団のバカとか犬とか呼ばれてるハイマンにそっくりですな。
原獣文書のオチがミディ=クロリアンでがっかりした一冊。