ヒストリエは自分的今年の漫画ランキング上位に食い込むこと必至
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/22
- メディア: コミック
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そんでもってまず『ヒストリエ』なのですが。あの、今更自分の性癖を再告白するのも無駄に恥ずかしいのですが、私の中ではどうも物語の主人公というのがデフォルトで少年に設定されていて、何故かということを語るとまた長いのですが、少年には萌えますし少年には移入もしやすいです。こういう状態を仮託とか憧憬とか呼ぶらしいのですがそれはまぁおいといて。中学生の時、豊島が丘女子高校という女子高を受けようとして文化祭に行ったことがあるのですが、その時パンフレットに『好きな芸能人』というアンケートがあって、そこでたった一人だけの回答に「アシタカ」と書いている人がいたんですよ。頭おかしいんじゃないかと思いました。今は自分がそんなアンケートされたらさらりと「エウメネス」と書きそうな勢いです。それくらい好き。
今回はエウメネスが奴隷になって売られるところから、成長した数年後までを一気に描いてくれています。必要なところにはたっぷりとページを割き、それ以外は思い切ってカットされているので展開もとてもスムーズです。
20〜29話まで収録されているのですが、一話ずついいたいことがあり過ぎて困るので、これからサクっとネタバレしますね。はてなの編集機能が増えて便利だなっと。
-20話
これはヤバかった。電車で読んでいたんですがガクガク震えていたと思いますよ私。とっさに思い出したのは『マージナル』で夢の子供キラが、創造主である父親と一緒に死のうと爆撃機が来るのを待っているのだけど、気の触れたと思われた父親がその時ふっと気を取り戻して、「逃げろ!」って願ってしまう。その夢に感応したキラたちはテレポートしてしまうのだけど、死を願いつつ最後に逃がされたキラたちがその爆撃される一瞬に「手のひらをかえしたな!」っていうの。救われた筈なのにそうじゃないっていうシチュエーションと心情がソックリだったな。あと、学問の中心地アテネに行きたくって「アテネ アテネ アテネ〜〜〜 アテネ……?」って手首を返しながらウキウキ歩いているエウメネスがかわいいです。キュン。
- 21話
この話(p50)で号泣してしまい、電車で読むのを一旦ストップしました。恥ずかしかったです。カロンの秘めた秘密をエウメネスはついに知ることがなかったんでしょうか。
- 22話
そして話は急展開。「このままオッサンと行ってキャビアの開発に携わるのも悪くないかもね。こんどキャビア食べてみよう……」なんて思っていたらアッサリ。っていうか警備薄いなー。
- 23話
エウメネスなら船を救えるかな、とも思ったんですが、この子はドライですねー。シンイチなら救おうとしてた気がします。段々エウメネスがエウメネスに見えてきた。とりあえず今巻の残虐シーンは22・23話のみ。1・2巻に比べたらとってもライトですね。残虐表現そのものはあんまり好きじゃないですが、時代感が伝わるのは確か。あと、手足がちょん切られる話が好きなのですが、それはこっちじゃなくてハガレンが肩代わりしてくれたッポイ。
- 24話
平和の予感。「文化が違う!」と心で呟くエウメネスが可愛くて仕方ありません。
- 25話
来ましたよー“志村、後ろー!”が。こんな平和な情景に合わせて、成長したエウメネスの記した『王宮日誌 私書録』から思わせぶりなモノローグが出るわ出るわ。「初めのうちは心より感謝していた」だの「この村でやらかした“ある仕事”」だの「忘れることはできぬ」だの。あと、この手の築城・要塞理論に興味がある人は、岩明均『峠の雪』も合わせて読みましょう。東北萌え。
- 26話
「文化が違う!」再び。剣の訓練と共に、ヘロドトスを語ることを自分の役割とするエウメネス。いいなー頭が良いコは。
- 27話
本を読んだ段階ではその知識は“他人”だが、第三者にわかりやすく説明することで“身内”になっていくと気付くエウメネスの心境は良くわかります。平和な村でギリシャの昔語りをしながら成長していく。今何歳くらいなんでしょうね?
- 28話
「実はそうなんだよ。もうちょうだった」のエウメネスがものすごいイケメンです。「文化が違〜〜〜う」は彼の口癖になって、仲間に茶化されている様子。
- 29話
厭な予感がビシビシする最終収録話です。なんだか最悪な方にばかりこの続きを予測してしまいますね。町民皆殺しとかサテュラ強姦とか……なんだかアフタヌーン買いそうな気配です。そんなに続きが気になるって訳じゃないですけどね。