7 SEEDS (7)田村由美 生き抜くために必要なモノは何なのか、かんがえる。
- 作者: 田村由美
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: コミック
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この作品は『BASARA』というネオ戦国漫画で有名な田村由美の次回作で、今までもかなり高レヴェルで展開されてきました。相変わらずの少年漫画的スリリングな展開、独特のタッチの描線や魅力的なキャラクター作りもさることながら、驚愕すべきはその設定。それは、隕石の避けられない衝突を予知し、冷凍されて未来へと送り出された少年少女たちの過酷なサバイバル。季節の入っている名前の少年少女が7人集められ(+ガイド1人)、春・夏・秋・冬のチームが結成されたのでした。
というわけで、今までは主に、隠しチームである夏のサブチームを中心とした話が進められてきたのですが、ココに来て話は大きくタイムスリップ。唯一サバイバル向きに養成された選り抜きである夏チームのチーム結成に到るまでの話が展開されます。全寮制で人里離れた学校で、親も親戚もいない同年齢の子供達が育っていく様は、なんだか微笑ましいのですが、その背後に流れる異様で不穏な雰囲気が次第に大きく影を落とすようになります。子供達は7人が選別されるということを知っていて、常に競争社会に置かれているのです。この話の主人公安居(やすいじゃないよアンゴだよ)は、優秀で、7人に選ばれる欲ももっていながら、仲間を切り捨てることが出来ない優しさも兼ね備えたまさに“主人公”な人材……なんだけど。自分の弱さと同時に、自分達の置かれた状況の秘密を知ってしまい、何がなんでも7人に残ろうと決心します。そして最終選考が始まり――というところでこの巻は終わってしまうのですが。
とても興味深かったのは、サバイバルのための知識を身につけるため、2つのコースを選ぶことができるというところ。そのコースで、自分ならどれを選ぶだろう……と考え込んでしまった。こんなコースがあるんですが。
・火のクラス 火起こし・燃料、火薬・武器、狩猟・格闘技、鍛冶・陶芸について
・水のクラス 飲み水・治水・灌漑・下水、水質・汚染・地下水、水車、海について
・風のクラス 天文・気象・地理、風・空気、風車、自然災害について
・土のクラス 土木・建築、地層・鉱物・石、農地・土壌、火山活動・地震について
・動物クラス 家畜と病気、捌き方・利用法、生態系・環境、猛獣と対処法、昆虫・魚について
・植物クラス 農耕全般、採集・生態系、薬草・毒草、樹木・きのこ・海草、利用と栽培について
・医療クラス 必須である応急処置以外の医療全般
ねー?悩むでしょう!?自分が誰もいない荒れ果てた文明消滅後の世界で何を身につけているべきか。どうしたら自分と他人の役に立てるか、真剣に考えちゃうんですよ。興味からいったらまず「風のクラス」を取ると思うんですが、ここはコンボが大事ですよね。出産やなんやのコトを考えると医療がかなりプライオリティ高いなって思うんですが、風と医療とかワケワカラン!な取り方したら台無しだし。医療なら動植物と取るべきでしょう。風とコンボにするべきなのは土だと思いますが、それなら土+植物の方がいいし、生き抜く為に必要なのは動物+医療かなって思います。でも虫と内臓苦手だー*2。悶々。
そんなこんなで、夏チームが誰になるかはまだ解らないのです。ちなみに安居は、親友の茂、謎めいた不良美男子ライバル涼と同じく火と水を選択してました。理由は「どこにいてもリーダーシップをとるには一番強そうだったから」、とのこと。ところが専門クラスにわかれてメキメキ実力をつけてきた源五郎は、「(動物と植物の)その2つを抑えるのが一番大事だと思ったんだ」と言い、安居はそれ以降源五郎に一目置くようになります。このシーンはすごい印象的でした。以下軽くネタバレ。
で、今後は12方向に分かれて最終選考に望むわけですが、面子分けを見るにおそらく選択科目別に分かれてるっぽいですね。7から2を選べば組み合わせは7*6/2=21、な筈だけど、動物+水とかありえない組み合わせを除けばだいたい12くらいになるのかな?これから一緒のクラスで苦楽を共にした仲間を蹴り落とす恐ろしい戦いが始まるわけですね。あー怖。涼がお気に入りなので、安居と一緒に行ってほしかったけど、火+水同士じゃあいけなさそうかも知れない。親友茂はおとなしく死んでください。下馬評として、ガイドは要、安居(水・火)、源五郎(動・植物)、マドンナあゆ(?・植物)の4人はかたそう。小瑠璃(医療・風*3)、繭(?・土)のどっちか、涼(火・水)と虹子(?・土)で定員だなー。
田村由美インタビューも面白いですよ。とりあえず7巻からはまったく別の話なので、興味持ったひとは7巻からでも読んでみてくださいねー。BANANA FISH的、男子にオススメの漫画かも。