なぜ脳噛ネウロさんはこんなに格好いいのか考える 魔人探偵脳噛ネウロ3〜4

魔人探偵脳噛ネウロ 3 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 4 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 4 (ジャンプコミックス)

それはサドだからです。って答えまで3秒くらいしかかかんないじゃん!
それは去年のこと……なんだか無性に青年漫画を読み漁っていた私が辿り着いた『無限の住人』6巻での尸良さんの鬼畜っぷりにヤラれ、年末どころか年始まで尸良さん尸良さんいって過ごしてましたが、ジャンプにもこんな鬼畜外道サドがいるのなら誰か教えてくれてもよかったのにとか本当に思った。
さて、私としては珍しく先物買い気味なネウロなんですが、なんで先物買いしたのかをさらりと挙げておきます。それは、わりとワイドに広がるlepantohの漫画アンテナに何故か引っかかりまくったからなんですが、「狂ってる」「DCS」「構図とコマが変」「ミステリ物として成り立ってない」などかなり酷い言われよう。なのに、ネタとして?主にネットに生息する人々に謎の受け入れ方をされているようなので、旬なうちに読んでおこうと思ったわけです。これ、でもネットなんかでネタ的な共有をして面白がっている人々はさておき、本物の小学生や中学生はどう思っているんだろう。って、中学生もネットくらいするとは思いますけど。で、蓋を開けたら、本当に脳を噛んで(いや、脳が噛んで?)生きるネウロさんが食欲を満たすために人殺しを探し続けるという食欲漫画でした。食べ物漫画にはさっぱり興味ありませんが、食欲漫画には興味があるなぁとドグマチール片手に思ったり*1。私の主食はスコーンとクロテッドクリームです。
見た感じ、ネウロ肯定派は「こういうミステリもありだよ派」「これはアンチ・ミステリだよ派」「作者が言うように推理物の皮を被った単純娯楽作品だよ派」にわかれている。私としては、画面に出てきていない人が犯人だったり、犯人が分かった理由が「犯行現場を見てました」だったり、そもそもトリックが全く成立していなかったりなので、ミステリとしては成立していないと思う派。けれど、逆にそこが、それでも「マンガ」として(ギャグ漫画として?)成立している、という面白おかしさを引き起こしていると思うので、ミステリではないということは、何の敗北宣言でもないのだ。
松井優征の絵はヘタクソだと2日前のレビューでは言ったけれども、自分の脳内にあるものを画力が足りなくとも忠実に絵に描いてみようとするところはスゴい。そんでもってその脳内にあるものが、重力とか遠近法とか人体の構成とかデッサンとかをまるっきり無視しているところが更に面白い。次第に慣れてくるとアジがわかるようになってきます。ただネウロ、X、弥子の3人以外は全然安定してないのがなー。そしてネウロとXが絡む4巻表紙に激萌えなのは私だけですか。
というわけで、私の中のジャンプ面白順位はハンタ>銀魂ネウロジャガー>ワンピ=ナルト、という感じに。ブリーチ、テニプリこち亀は途中までしか読んでなくって、打ち切りと噂のミスフルもどっかで止まってますけど。これからデスノと鰤は読みたいですが、アイシルとかムヒョとかタカヤとかポルタとかにはさっぱり食指が動かなくって読む気ゼロです。かつてないほど連載中の作品を買ってますが、それは私がかつてないほど漫画を読んでいるだけだったりする。ジャンプ系漫画は、漫画って楽しいなァって思えるので好きです。
そして今気付いたんですが、私はハンタではヒソカがとにかく好きで、銀魂はみんな好きだけど(神楽と喧嘩してる時の)沖田総悟が好きで、ネウロではネウロらぶなのでなんなのこのサド星の王族集団は、と思った。私にマゾヒズムを教えたのはT・E・ロレンスにほかならないけれど、いつの間に漫画を読むのにマゾサドの基準を持ったのか。今年はサディズムマゾヒズム勉強しよう……でもマゾッホは『毛皮を着た貴婦人』読めばいいけどサドの著作って何から読めばいいのだ?そしてそこからフーコーとかにいってあたしの脳内でフランス×ロシアみたいなロシア受けが流行るんだと思った。個人的にはドイツ×ロシアだけど(フランスって萌えない)。マゾヒズム小説といえばツルゲーネフの『はつ恋』だけは何故かうちにある。ってネウロ関係ないし(笑)。
表紙が逆さまのせいでいつも反対にして読み始めてしまうのでカヴァーをとって保存するべきだろうけど表紙のネウロさんに萌えるのでそれも出来なくて騙され続けまくる2冊。

*1:清水玲子の『22XX』は食欲漫画です。