語る言葉を持たない 7 SEEDS(9)

Broken piano in wilds

ネタバレたぶんなし。
つらい。苦しい。切ない。だけどごめん、不謹慎だけど、漫画としては最高に面白い。好き。誉める。

7SEEDS 9 (フラワーコミックスアルファ)

7SEEDS 9 (フラワーコミックスアルファ)

知らない人のために言っておくと、滅亡後の地球に冷凍輸送された7人の男女の話です。サバイバル。掛け値なしで面白いです。
夏A編がこんなに面白くなるとは思っていなかった。わたし、夏Bは割とどうでもいいんだけど、春・秋・冬チームにはそれなりに愛情を示してきた*1んだけど、思い入れという点では夏Aがダントツかも。今回でメンバーが全員決まったわけですが(気になって雑誌で読んでたけれど)、前にも言ったとおり個人的には最高のメンバーなんです。なんですが、つ、辛いんだ。辛いことにはかわりがないんだ。それが良いのだけれど。
今回、面白かったのは、それぞれの得意不得意みたいなのが描かれていたこと。最近「わたしって、たまに人が出来ないことを簡単にやってのけられるけども、その逆に普通の人ができることができないことも本当に多いよなあ」と思うことが多くて、なんだかいろいろ身につまされた。ほかにも、冒険だいすきっ子のおいらには、サバイバル小ネタがいつも面白くって、防水マッチの作り方とか、炊飯の仕方とかの細かい描写に燃え。
これ以上はネタバレになるのでたたみます。
個人的には茂よりも繭ちゃんの方がキて、本当におちこみました。わたしの家族は茂に本当に落ち込んで、なんか寝るとき布団の中で泣いてましたけど。茂は、その有能さ、そして無能さの描き方のバランスが素晴らしかった。たしかに彼はそれなりに役立つんだけど、未来にいくべき人ではなかったと思うんだよね。
私のお気に入りは源五郎と涼です。マドンナと虹子も好き。キレた小瑠璃も好きです。源五郎は、あの真面目さと器の大きさに惚れ惚れします。そして涼。わたしは涼みたいなタイプが大好きなんですね。すごく少女漫画的。自ら嫌な部分を引き受ける、破壊的なのに献身的なヒーロー。美しいです。彼ならきっと、薄汚い感情を安居みたいに後悔はしないんだろうな、と思います。彼は仲間のために傷ついていないフリをしそうじゃないですか?
ただ、そんな大好きなメンバーが集まったにもかかわらず、みんなあまりに疲弊しすぎていて……とくにマドンナは怖い。mixiのコミュで、蝉丸みたいな人が大嫌いそう、といっている人がいて、その通りだと思いました。怖い。唯一、虹子だけは平静を保っているけれど、虹子の見開きがあまりに怖すぎて……彼女にはポジティブな期待がとても出来ません。正のパワーを持っている安居、小瑠璃、源五郎あたりに期待したいのですが。あと涼はいろいろ背負っちゃいそうで心配。でもそんな涼が好き。


話は、夏Bに戻るかと思ったんですが、春でしたね。ハルのひとことに癒されました。曰く、「花の彼氏 どっかでくたばってればいいのに」。素直にひねくれてて非常に好感が持てる一言ですね。まるでメロたんのようだわ。


ああ、夏Aはほんと、どういうふうに絡んでくるんだろう、な1冊。

*1:過去ログによると、「夏のBチームの守宮ちまき、麻井蝉丸、早乙女牡丹、春のチームの末黒野花、甘茶藤子、角又万作、雪間ハル、鯛網ちさ(ほぼ全員だし)、秋のチームの猪垣蘭、稲架秋ヲ、冬のチームの荒巻鷹弘、鮫島吹雪、神楽坂美鶴、以上の全員を好き」だそう。とりわけハルが好きだと告白していた。今もいまも!