瞳の住人をメッタ切りして解体する試み〜その1・閉じた世界にいる男

瞳の住人瞳の住人…どう考えてもタイトルは変。でも畜生いい曲じゃねーかぁ。ちなみにイロメロの着ムービーのCMの歌です知らない人のためにゆっとくと。
閉塞感とか閉鎖空間とか密室とか閉じた世界とか11人いる!とかそういう単語を聞くとなんだか興奮してくる私だけれども、好きなんですよ閉じた空間。そしてhydeも割と閉じ系の詞を書いているんですけど。
それはもうShutting from the Skyや*1White Feathers*2から閉ざされた世界からの脱出っていうのは一つのテーマとしてあるし、Burruly Eyes*3や静かの海*4でにもそれをみるのは難しくないと思うのです。そして言うまでもなくあのflowerにだって「窓の向こう本当の君は今何をしてるんだろう」なんていう歌詞があるわけだし、flowerのPVは牢獄の中にいる私たちに向かって歌われたのでした。
お耽美な感じではありますけど、抜け出したい系*5で自由が欲しい感じが好きです。
 
もちろん風に消えないで*6みたいな歌もあるけれど、この歌は終始仮定型であることを見逃さないで欲しい*7。同じ様にHONEY*8も結局仮定の歌であなたも僕もどこにもいけないってのが私の持論*9
そう考えてみると初期閉じ系歌詞のキーワードは

  • 閉じキーワード
    • 窓……部屋にいることを暗示、ここから外を眺めます(代表例:As if in a dream)*10
    • 届かない*11、遠い、離れる……「閉じる」という言葉は使われませんので
  • 憧れキーワード
    • 空……見上げては憧れますが逆に自分の閉じた空間を際立たせます
    • 鮮やかな季節/日差し/風……窓から見えたり閉じた世界から誘い出すモノです(代表例:風の行方)*12

で、上記の作品には閉じた空間と空/鮮やかな季節etc.は対比*13されてることに注目してほしいと思います。ここからhydeの描く‘空’が変わっていきますから。

*1:歌詞和訳;空が閉じて僕は閉所恐怖症に落ちてゆく〜(DUNE)

*2:窓を閉めた部屋にいる男のうた:幾つもの夜を超えて ふいに彼は重い窓を開けた/太陽と風が部屋に広がり彼を外へつれ去った/すぐそばに今存るのに/指先さえ ふれられない(Tierra)

*3:籠の中の鳥のような虚ろな目に触れている午後の日差しはまるであなたを外に誘う光、ファーストシングルでTierra所収

*4:月に取り残された歌:ひとり残されて静かの海(月の地名)にいる/君は帰ってしまったけれど夜空が慰めてくれる/青く浮かび上がる君のいる場所/あまりにも綺麗で言葉にならない(heavenly)

*5:反対は居場所がない系、自由すぎて安住を求める

*6:どこまでも続く世界から抜け出せたなら/淡く揺られ空の果てまで辿りつけそう(True)

*7:もうひとりの僕がドアをノックし続けている状態のまま歌は完結

*8:乾いた風をからませあなたを連れていくのさ(rayだっけ?)

*9:I want to fly,wating for sunrise,don't stop smiling please.飛ぶことも出来ず夜明けは来ないまま歌は完結

*10:まどろみの午後いつものようにそばにいて笑うあなたの夢を見た/窓の外を眺める私に微笑むあなたの夢を(DUNE)

*11:White Feathersからa silent letterまでいくらでも挙げられます、REAL以前のhyde詞の中核をなすモチーフ

*12:うららかな空に誘われ少し窓を開けた休日(Tierra)

*13:ホワイトフェザーズでも静かの海ででも風に消えないででも