その2、閉じた世界に押し込められた男

でその閉じ系が復活後THE GOHST IN MY ROOMになると思うんだけど、この歌詞は重要なのでちゃんと引用してみる。

窓に今日も君を探す/目がくらむような太陽/抜け出せたならばこの手に入れよう
he says! steal your love/解き放つドアに振りかえることはない/錆びついた鍵もいらないけど/he says! steal your love/明日へ向かって機械仕掛けの君を
連れて行けたら/過去も変わる/the ghost in my room

まずそもそもタイトルがROOM、そしてやはり窓が出てきている、そして前述の風に〜と同じく「連れて行けたら」っていう仮定形で脱出を志向しているけれど実現できていない典型的なhyde詞です。でも好きですが。
そして、そのころ売れ始めて本当に閉じた世界で生活しなくちゃいけなくなって、余裕がなくなってくるhydeさんは、覗き見野郎って意味のPeeping Tom*1を作ります。これも典型的な脱出志向閉じ系です。

あした晴れたなら こころ連れ出して
季節に誘われて漂いたいのさ/そうだから そうだから/もう少しそっとしといて

 
その後一旦閉じ系は世紀末系*2に移行して少なくなりますが、やっぱりHEAVEN'S DRIVEなどはそうです*3What is love?*4もそうで、「大切な人にさえ届かないこの殻が邪魔をして空回りする」って言っているのです。ちなみに殻はこれからhydeのお気に入りワードとなっていきます。愛の存在なんてあたりまえだったのに急にそれを問いただしてどうしたんだろうとも思ったし、空に沈むっていうのはhydeの好きな表現だけどこの時ばかりは違う気がした曲でしたね。
その殻から抜け出せないもどかしい感じが好きだったんです。けど……

一方でそのころからDive to Blue*5とかPieces*6といった鮮やかな歌詞が生まれだしている(ただしプロモは暗いんだけど*7)。特に注目すべきはPiecesで、これは子供のことを描いた歌なんだけれども、

ねぇ遠い日に恋をしたあの人も/うららかなこの季節愛する人と今感じてるかな?

と他人のことまで気遣う余裕っぷりに一体何が起こったんだろうと本気で不思議に思ったものでした。何せ今まで彼は部屋の中からそれを眺めることばかりしてきたのですから。よくよく考えればVivid Colorsだって思い出の事だしVoiceだって目の前の扉が開かれた状態でまだ先は見えないしこんなに鮮やかな季節に囲まれていることなんてなかった筈ですよ、他の曲では。大体季節においていかれるとか*8季節が窓の外で呼んでるとか言っていたのにこれはどういうことなんでしょうね?

*1:マスコミ批判歌

*2:It's the end,Driver's High,HEAVEN'S DRIVEあたり

*3:そんなレンズ越しの蛇に遊ばれて囚われた気分さ/眩しいくらいの 日差しに 恋焦がれてるんだ←憧れ系キーワードですね、ark所収

*4:染められた空の赤に僕は君は沈んだ

*5:「錆びた鎖に最初から繋がれてなんてなかったんだよ」//胸に空をつめて青色の深くに沈みたい//定められた運命を切り裂いて空へと抜け出そう

*6:穏やかな輝きに彩られ歳月は夜を夢に変えるみたいだから目を凝らして…さぁ!あなたのすぐそばにまた新しい花が生まれて木漏れ日の中で鮮やかに揺れてる

*7:ダイヴ〜は本当に屋上から男がダイヴして死ぬ、ピーシズは呪われたナイフが紡ぐ殺人の話、おがわがハイドに刺殺される

*8:夏の憂鬱とかwinter fallとか