「無垢の力 〈少年〉表象文学論」高原英理
ごめんさない高原英理…
いや高原英理師匠…!
題名から内容勘違いしていました。どうせ無垢礼賛のふざけたテキストだと思い込んでいましたが、お…面白いです…!師匠と呼ばせてください!!以下面白さの前提条件;
- 複数の作品から共通するイメージやモチーフを抜き出す読解方法(参考にしたい!)
- 作品を読んだことはないけど評論はわかるきれいな論理展開
- あっと驚く、そして頷かされる結論
- 適度で適切な引用
んで内容がまためちゃめちゃ面白いし興味深い!以下概要;
- 女性ではなく成人男性でもなく、しかし少女のように欲望され男性の主体性を承認されてもいる「少年」は、いわば「もうひとつの性」
- 男色とは違い性交渉が禁忌である
- もちろん関係の質が限定されない同性愛とも異なる
- 女性に比べて「人格をもつ度合い」が大きい→犯すことにためらい
- これらの条件からこの愛の形を「少年愛」と呼ぶ(以上P14〜P17)
- 複数のテキストから、「他者からは欲望される客体でありながら、自分は欲望の主体でない者同士の関係」(P86)を抜き出していく。
- これらの「少年」は、男性のジェンダーに必要とされる主体性や獲得欲望に対して、客体であること、望まないことのうるわしさを提出している。