ミュージカルの話

ロンドンいる間は本当にミュージカルばーっか見てました。みんな一度見るか見ないかだけど、二週間しかいないのに四本も見てしまった。ロンドン行く前に、『42ndストリート』を見て、漫画読み的思考で見りゃ全く面白くもない考察に値しない、くだらないストーリーなんだけど心が軽くなったり踊ったりしたもので、心がミュージカルに向いていたというのもあります。それ以上に、ロイヤルバレエが夏休みでやっていなかったのも大きいのは事実で。そして何よりロンドンは狭くて、夕方することがないんですよ。「ロンドンって何すりゃいいのかな。」ロンドン7回目(!)の女の子はこう答えました。「今からユーロスターにのってパリ行ったら?」*1
そんなわけで、火、水、金、土に多いマチネを選んで、授業が終わったら美術館で3時間ほど潰し、軽く食事を取り、マチネに行き、友達と待ち合わせてパブにいくという最強コースが誕生したのでした。普通、ミュージカルは19:00〜22:30くらいだから家に帰ると次の日になっちゃう。平日マチネは16:30か遅くとも17:00には始まるので一日を有効活用できるのです。ちなみに単独行動だとスタンバイチケットをゲットしやすいと思います。人と行く美術館もいんだけど、おいてかれんだよね(笑)。

  • 42nd STREET

これ、日本で見たやつ。チケットはいくらだっけ?忘れました。
典型的な、役者志望の子が主役が怪我をして抜擢され〜系。タップ、タップ、タップ!

  • シカゴ

学校のレセプショニストに予約してもらってセンター前から6列目。、£40+手数料£1(約8500円)。ボブ・フォッシー版なので新しい楽しみがありました。今思えば映画も見てたしサントラ持ってるし一番理解してたミュージカル(八割くらい)。笑いもジェスチャーに現れるので解りやすい。映画ではギアおじさんのタップになってた裁判シーンはメチャクチャ笑える。難点は主役二人が美人でなくオバサンなこと……。

  • FAME

売りは"PURE DANCE ENTERTAINMENT"だったかな。そう売っている割には、大してダンスが凄くない。ヒップホップ出身の人からバレエ出身の人までいるので動きは個性があって、悪くいえばバラバラ。バレエの得意なフランス人の設定の人がフェッテで数回転していたけど、軸はブレブレ。ストーリーはアメリカの芸術学校でアイドルやロックスターや役者やバンド目指してる人々の青春群像。ピアノを弾くのっぽの坊主が好きでした。その人は、アイドル志望の可愛い子に見初められ、ジタバタしながらキスしたりしてやたら可愛いんだけど、その子はロスにいってしまい、「I love you...」と引きとめようとするも無視され、しかしその子はロスで成功出来ず戻ってきて、のっぽのピアニスト君に麻薬を買うためのお金をせびったところで劇は終了しますた(主人公カップルはめでたく成立したんだが・・・一体)。彼の将来が気になって仕方ない。
開演15分前にふらっと立ち寄って、国際学生証で37ポンドが12.5ポンドに(!!!)。約2500円。前から15列目くらい、いい席。

  • キス・ミー・ケイト

つまんない。みんなが笑っているのが、会話上に現れるギャグなのでさっぱり理解不能。またサブによくいる、いい味だしてるオジサンたちの演技が長すぎ!主人公の妹の恋人(遠っ)の、アクロバティックな求愛ダンスだけはよかったな。学校で行ったので、たった7ポンド(約1400円)。

別枠で語ります。

  • ポーギー アンド べス

退屈ではあった・・・かも。でもインパクトは凄い。もともとオペラであるため、台詞などはほとんどメロディに乗っている、黒人にしか上演が許可されていないという異色?の一作。何がびっくりするって、ミュージカルのストーリーはいつも一緒で、役者志望の女の子が劇中劇を繰り広げる、というものだと思っていたんだけど(上記5作品はすべてそう。レ・ミゼラブルなどの例外もありますが)、これはすごい。ポーギーは足が不自由で、台車みたいな車椅子を使っている。べスなんてヤク中だ。誰かが嵐で死んでも、葬式を出す金がない。べスの元恋人がまたどーしようもないやつなんだけど、べスはポージーに惹かれつつもその元恋人の強引さにも揺れてしまう。だからといって、ストーリー(特にラスト)はメチャメチャなんだけど。。。でも、ネオンライトが光って、シルクハットに杖をついてなきゃミュージカルじゃない!って思っている人にとっては相当サプライズじゃないのかな。有名な「サマータイム」の歌詞は、現状とまったく逆のことを子供に聞かせている歌だ!
招待してもらいました。

*1:「じゃパリは楽しいの?」「いや全然。」と続くものすごい会話でした。ま、エッフェル塔凱旋門みても感動できないだろうな。ツール・ド・フランスならまだしも