少年魔法士12 アエトニキ事変

少年魔法士 (12) (Wings comics)

少年魔法士 (12) (Wings comics)

すみませんさぼってて。
英語用別宅を開設したのでこんどはこちらも本分に戻ろうと思います。まぁ日記に本分も何もないのですが、ここはずっと少女漫画について何かしら言ってきたところですし、これからも言い続けていきたいと思っています。
しかし、今回の巻に関しては特に言うことがないような気もします。いや、いつも通りページ平均4コマでタラタラ進んでいくのですが、シェーラ姉さんの

こんな話でビビってるようじゃあたしの「産まれ方」を聞いたらチビッて泣くぜ

を聞けただけでもう満足です。わざわざ産まれ方に括弧をつけてくれるなんてなんて親切なんだろうと心底思います。
今回は二人の「知りたがらない」少年たちが、何かを思い出さずにいられなくなっていくという部分の導入。一人目、ヒューシー・ハーバート(勇太)の知りたくないこととは、自分が勇吹の弟で、家族全員が殺された時に時空間が歪んで自分だけ未来に送られた、ということ。自分が記憶喪失児だということだけは知っているのですが、ヒューには過去の記憶がなく、またそれを拒否します。「俺はね、なーんも考えないようにしてるんすよ」。理由は「いちいちそんなこと考えてたらこわれちゃう」から。要はそれを考えられるほど強くないからってことです。そういう弱さの宣言っていいですね。

なあオッサン。じゃあ一回脳を刻みまくられた人間ってのは それどうやって克服すんだと思う?
 
上から別の情報をガンガン刻み込んで もっともっと ぐっちゃぐちゃにしてしまえばいいのよ(少年魔法士11巻)

逆にカルノは無意識に思い出すことを避けています。というか、彼は無意識に何でも避けている。なぜかというと、非常に影響されやすいから。そして、自分があまりに強いから。探究心というのは「支配」につながるのですが、彼は自分が支配するのもされるのも嫌いなので(というのも若年時、悪魔にレイプ同然に同化されて支配されているわけだし、それを自分が行使するのはいやだから)、という説明が9巻でなされています。
そんなこんなで知ることから遠ざかって〈少女的〉でいた二人が記憶を取り戻していく・・・となれば、予想されるのは誰かの何かしらの支配ですが、個人的にはカルノはあまりに分別がないというか、どうも今喧嘩を売られて切れちゃってるみたいなので(全部喰って俺が神になってやるとか言い出したり)、個人的には最初に悪魔がカルノさんを蹂躪したシーンを思い出すことでもう少し思いとどまっていただきたいものです。