ああ狂ってる 漸く見つけた『魔人探偵脳噛ネウロ』1〜2 松井優征

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 2 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 2 (ジャンプコミックス)

研究のために80年代の少女漫画を読んでいたらなんかフラストレーションが溜まってきた。いわゆるプチフラワー系は大好きなのだけれど、それ以外となると古臭いしつまらないしで苛々してくることもしばしばある。そんな時、本屋で目に入った松井優征のサイン色紙。普通、サインっていうのは何枚も描き易いように流れるような線になる筈なんだけど、この人のサインは松本大洋の線の様で、異様に細長くって、角ばっていて、蛞蝓の這った跡のようだった。それからというもの、巡回先で見かけるネウロの文字が気になってしかたなくなり、気がついたらネウロの事しか考えられなくなっていた。なのに本屋には平積みしていないから誰かが買っちゃったらおしまい。本当はストック分があるんだろうけど、間違っても店員に「魔人探偵脳噛ネウロの一巻探しているんですけど」なんて聞けない乙女心。
そもそもまじんたんていのうがみねうろという字面が普通ではない雰囲気醸し出しまくり!いざ読んでみると、何故表紙が逆さまなんだ?という疑問などすっぽかして意味不明すぎる殺人描写、ネウロの行動、コマ構成のオンパレード。噂では「5角形とか6角形のコマがある」と聞いていたのだけど、それどころじゃなかった。
12角形のコマがある(笑) 2巻p.55な。
コマのカタチだけでいうと、3,4,5,6,8,12角形までは確認。8と12は向かい合う3コマで、真ん中に稲妻みたいなギザギザがあると思って頂ければいいです。しかしそのギザギザがなんかふくらみを持っていて異様なの。怖いよー(笑)。
んで、内容なんだけど、はっきりいって絵は下手(って、私は絵なんて下手でも全然OKなんだけど、と補足)。この下手さは川口まどか@死と彼女とぼく、とか、遠藤淑子@ヘヴンクラスでかなり貴重。松井さんを見てると空知英秋が神に見える(てか空知んたまは漫画は上手いんだけどバトルがてんで描けないんだよね)。だけどこの人が、時々、下手とか上手いを超えて、ギョッとさせるような絵を書くんだな。それが人が死ぬ時と犯人が発覚する時とネウロが魔人になるとき。それ以外は極度に手を抜いているんじゃないかと思うくらい筆圧が違うんだもん。そんな感じでとりあえず何故こんなにネタとして愛されているかはわかった。続刊は機会があったら読みたいな。
ネウロになら足蹴にされてナメクジって呼ばれたいと思った二冊。