『銀魂』にインスパイアされた漫画家さんについての私見−キャラ萌えと関係性萌えみたいな何か

先月末、花ゆめのレビューをしましたが、そこに入っていない作品はただ単に読んでいなかっただけだったりします。で、その読んでない作品のうちに、おそろしく狭い範囲で『銀魂』のパクりでは?といわれていた漫画が入っていました。アニメ化の際訪れた少年漫画板で「そういや銀魂パクッた漫画はまだ連載しているらしいな」みたいなレスを見ていたのですが、まさか花ゆめほどのでっかい雑誌でやっているとは夢にも思わずびっくり。ほんとにパクりなんかいな?と思って作品名と銀魂でぐぐってみるなんと作者さんのインタビューが一番上に出てくる。そこで空知リスペクト宣言しちゃってる。なんて安易なQ.E.D。三秒でクロ決定ですか。もう画像の男の子が銀さんにしか見えなくなっちゃったじゃねェかァァァァ!
もうちょっと調べてみると、この事実を最初に指摘したブログさんは(書き方が悪かったのだろうけど)閉鎖しているらしい。怖いですねー見えない権力を感じますねー。よってこの記事には被疑者側の名前は一切入っていません。というか、まったく責める気なんかないので。そういうことがしたいんだったら某作家の萩尾望都『訪問者』のパクりの方を取り上げると思う。
末次由紀が作品を回収されたとき、多くの頭がいい人がうんぬん言っている傍らで、バカな私はわからないとだんまりをきめこんだのだけれども(きっこメソッド?)、それは私が末次を最早読まなくなったからであり、漫画を描かないからであり、かつ著作権に興味がないからだったりします。そんでもって今回も著作権には触れません。作家の倫理云々とか、少女漫画が同人誌化しているとかも言いません。ヘッダにおはします私が好きな作家のうち2人は同人誌出身だから、その事に対して肯定的な意味合いは見出せるけど批難する理由は見当たらないのです。空知さんだって『しろくろ』をハリー・ポッターをうっすらうわべだけパクったとか言っているし、ってそれはまた次元の違う話なんですが――。
ただ、個人的な思い出話で恐縮なんだけども、実は私も好きな作家さん(匿名)が同人誌をやっていて、その題材が『銀魂』だったということで銀魂を読んだ、という本末転倒な出会いをしているので、少し気に掛かったのでした。簡単に話をまとめると、私の好きな作家さんに見出すのは関係性萌えなんですが、今回見出したのはキャラ萌えだというところが気になるのです。
本誌で一回だけ話を読んだだけなのでアレですが、少なくとも主人公は〈銀髪〉、〈死んだ魚の目〉(+たぶん喫茶店で働いているからもしかしたら〈甘党〉*1)という属性萌えであって、その属性をうっすら頂戴し、かつ横には〈黒髪〉で〈悪人ヅラ〉な、うっすらどこかで見たことがある感じの、よく面接受かったな瞳孔開いてんぞ的な人がいる。しかも主人公は花ゆめにしては割と影が薄めな人で、銀魂カプに囲まれて逆ハー状態にどーしても見えてしまう。私は女性の同人誌界では関係性萌え>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>属性萌え、というヒエラルキーがあるのだと思ってきましたが(注:lepantohさんはやおいっ気がほぼゼロです)、ここまでキャラ萌えを開花させている人も珍しいと思ったのです。しかも運悪く商業誌で。誰かに叩かれたり大事になったりしなきゃいいですが。なら記事にすんなって?誰も私の日記なんて読んでませんよ自意識過剰な人ですね。
一方私の好きな某作家さんの方も実は全く同じカップリングが好きだったりします。強気受けを推奨したい私としては銀土の方が好みなんですが、しかし彼女は、インタビューで「登場人物が喧嘩するのが好きなんです」と語っていました。彼女は、別に銀さんの銀髪や糖尿ややる気ゼロモードや何やに萌えていないというわけではないんでしょうが(予想)、土銀が喧嘩しながら実は互いを想いあっているのが好きなわけです。たしかに彼女の作品では男と男がしょっちゅう喧嘩をします(しかし彼女は商業誌ではなぜか徹底してヘテロセクシュアルな恋愛ばっか描いているんですが)。てか八つ裂きとか肋骨折って首絞めるとか皆殺しとかそーいうのばっかです。その関係性が好きだと普通に告白します。くそ真面目で優秀なのですが、それ故死ぬほど馬鹿の元・部下が「貴方のその笑顔が曲者だ 反吐が出る」と言うと、虫も殺さない顔をして超絶腹黒い元・上司が「大嫌いなのはお互い様なんだから少しは我慢しろよ」と笑いながらいう。そこで悶絶しているのが彼女の価値観に染められた私だったりするわけで。死ぬほど余談ですが、私はその上司の彼と自分が別人だとはとても思えないので、悶絶するのと同時に「馬鹿にバカっていってやった」的な溜飲の下る想いも同時にあるんですけれど。
本格的に作品を読んでみたら、おそらくもっと別の属性も一郎くんには付与してあると思うんですが、「総じてキャラがヌルい*2」。なんかもっと、花ゆめ的なインパクトのある何かを付与できなかったんですかね。「僕は魔性のゲイなんです*3」みたいな←それ違う!とにかくそれじゃー作品としていかんだろ、パクりかもしれない上にアクが弱いんじゃあ、と本当に思いました。花ゆめって私の中でかなり最後の砦的な印象だったんですが、もしかして今Lalaの方が面白いのかもなァ。
 
で、3/3にようやくハンター×ハンター最新刊発売か、なんてニュースを読んでいたら目に飛び込んできた銀魂本日発売」の文字。マジでか。誰か教えてよ……。「ジャンプは時々土曜日に出るから気をつけろ」とか言う位だから、ジャンプコミックスも時々土曜日に出るんだと思ってたよ。今年は銀魂じゃなくてネウロ推すって書いた所為ですか。気がついた時、既に9時回ってるし。キーワードリンクから来た人は起こる前にISBNを参照しなかったことを恥じてください。てかごめんなさい。明日多分レビュれると思います。何やってんだか。
腐女子じゃないとオタクにいまいちなりきれずネットワークが築けないと思った一日。

*1:食欲が云々というところで、おそらくうっすらうわぁなにをするやめ

*2:元ネタ桜蘭高校ホスト部1巻。

*3:一応、元ネタは西洋骨董洋菓子店