ジュリエットの卵めも

ジュリエットの卵 (3) (小学館文庫)

ジュリエットの卵 (3) (小学館文庫)

帰ったら手直しするめも。

壮絶な脱出失敗を描く作品。さくひんとしてしっぱいなわけではない。むしろ先進的。発表年度いつなんだろう。
吉野作品おなじみの双子の話だけど、いつもと同じく二人のみの世界に帰結しないのがすごい。1をめざした双子のひとりAは3をみつけて初めて2を知覚する。それまでのAは2をみてはじんましんを出していたというのに。一方Bは2を知っている。それゆえに1を志向し、1を達成できないくらいなら0を選ぶ。
肉体的な愛と精神的な愛が一致しない。エキセントリクスと撫子と陸もそうだなぁ。おもしろい作家だ。以上備忘。