4、なるしまゆり
実は、私はどうも吉田秋生の周辺や後継の人々を見つけ出せないでいる。それはただ単に私の読書不足に起因するのもあるのだが、サブカルのなかのサブカルのなかで(少女漫画の支流のなかで)、とりわけ岡崎京子的なものがググイと持ち上がってきたからかなぁとも思っている。そんななかで、やおい文化出身のなるしまゆりが、フラットフィールドだの痛みの仮託だのとは全く反対のことを、24年組や吉田秋生を受け継ぎながらさらに進化した形で継承していることはとても嬉しく、同時に驚きだった。
- 少年の世界
- 許し、赦し
- 人工子宮での非自然出産
- 母性の暴力
- アダルトチルドレン
- 傷ついても元に戻る身体、不死の生物、人外の生物
- 異端児
と、少年魔法士だけ見ても萩尾作品とこれだけの共通点がある。しかし、このキーワードがお互いをつないではいるものの、それに対するアプローチは全く異なる。それがなるしまの凄いところだ。