『オペラ座の怪人』The Phantom of the Opera

折角なのでこれを書いておこう。
正直、これを書いてしまったら今月残りなにも書かなくていいんじゃないかというくらい自分にとっては重大なトピックである。ネタばれを含むのでその点は気をつけていただきたいが、はっきりいって未だ未見の人々にも是非読んでもらいたい。間違っても「あ、映画見逃した」などという馬鹿なことを来年の2月あたりに言っていないように。そんなことを一言でもネット上にアップしたら、泣くことになるよ。あたしとあんたが。
結論から言うと、ラッキーなお前らが悔しくてたまらない。
私は30万円(+現地で7万?)ほどを留学に費やしたが、もちろんその大半は学校と飛行機に消えている。あの臭くて狭い飛行機に喜んで乗る人はそうそういないだろうから、じゃあ私は一体何に自腹を切ったのかというと、10万は英語に、10万は友達に、残りの10万は『オペラ座の怪人』に払ったのだろうと思っている。少なくとも、それで元は取れたと思っている。実質、オペラ座の怪人のチケットは9000円しかせず、CDとパンフレットは確か5000円くらいだった。劇場までは1000円の乗り放題券で行った。
そもそも、予定では『ライオン・キング』を見る予定だった。ところがあまりに人気でチケットが取れなかった(いや、本当は三階席なら取れたのだが)のため、急遽席のある、そして学生割引のない『オペラ座の怪人』に決めたのであった。事前知識はゼロに近く、やっぱり唯一の決め手は人生の師?カジポンさんが「今までの人生で最も感動した芸術作品は何かと問われれば、第九やゴッホの自画像など色々あるが、この『オペラ座の怪人』を選ぶかも」と言っていたのを思い出したからだ。このコメントを見た時、「まだ私には早いかもしれん。」と思っていたが、折角なのでみることにした。結果的にこれは失敗だったのかどうなのかわからない。
仮に80歳まで生きるとして、私は残りの余生60年を全て『オペラ座の怪人』を追い続けながら生き続けることになった。60年もの期間を許されたことを幸せと思うかもしれない。次に海外に行くなら、ツールをやっているフランスを除いて、絶対にオペラ座の怪人を上演しているところに限る。オペラ座の怪人をかれこれ2ヶ月も見ないで自分が無事に生きているのが恥ずかしくて仕方ない。あれこそまさに「大衆芸術」だ。(わたしは何度か言っているが高尚なお芸術はあまり好きではない。)

僕は人類全体を“オペラ座の怪人を観た者”と“オペラ座の怪人をまだ観てない者”に大別出来ると思う。それくらい、作品が与える衝撃が強烈なのだ。人生は一度きり、未見のまま生を終えることなきよう、一刻も早くあの奇跡の舞台を見るべしッ!
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