ギムナジウム幻想*1
24年組の一つの特徴として語られるもの。木原敏江『摩利と新吾』に最も強く見られる*1。代表作は萩尾望都『トーマの心臓』『11月のギムナジウム』『ポーの一族』、竹宮惠子『風と木の詩』など。
狭くはギムナジウムそのものを描いた「ギムナジウムもの」と言われるジャンルがあるが、男性だけの閉塞社会を描いているものは大抵「ギムナジウム幻想」とでもいうべきものに彩られている。よってここでは、『11人いる!』なども含むことにする。その特徴は、
- 「男性だけの・閉塞社会」を描き、その中で女性的なものやボス、優等生、変わり者などのの役割が割り振られている
- そこでは確かに弱者が存在し、虐げられてもいるものの、結局は理想的な空間として描かれている
ことである。『メッシュ』以降はギムナジウム幻想は正常に機能しなくなるが、「男性だけの」という点は比較的維持され、「男性だけの・共同体」とでもいうべきものに道を譲る(『マージナル』などはより大きな閉塞社会として共同体と考える)。
*1:と独断と偏見で思う