2005-12-06から1日間の記事一覧

評論の記法について

〈山かっこ〉で囲まれた言葉は役割を示します。漫画内のジェンダー・ロールと言い換えても可です。 〈少女〉〈非少女〉〈不確定な自己〉〈白痴〉〈支配する父〉〈封印する母〉などといった使われ方をすると思います。 「かぎかっこ」で囲まれた言葉は、普通…

少年愛

『メッシュ』以降崩壊するもののひとつ。『ニューヨーク・ニューヨーク』で主人公のケインがパートナーのメル(共に男性)についてこう語る場面がある。 同性愛を神への冒涜と考える者もいる 俺の母親は…神聖なものを何よりも重んじる 俺は熱心なクリスチャン…

ギムナジウム幻想*1

24年組の一つの特徴として語られるもの。木原敏江『摩利と新吾』に最も強く見られる*1。代表作は萩尾望都『トーマの心臓』『11月のギムナジウム』『ポーの一族』、竹宮惠子『風と木の詩』など。 狭くはギムナジウムそのものを描いた「ギムナジウムもの」と言…

〈母〉の死/〈母〉の愛の喪失

『トーマの心臓』におけるエーリクとオスカーの母、『ポーの一族』のエドガー『風と木の詩』におけるセルジュとジルベールの母、『摩利と新吾』における摩利・新吾は母を実際に亡くしている。初期萩尾望都もしくは24年組においての〈母殺し〉は多く指摘され…

〈少女〉と〈非少女〉

宮迫千鶴の『超少女へ』で指摘された萩尾望都作品内の性(ジェンダー)とでも言うべきもの。少女漫画を読む上で非常に良い指針となる偉大な発明。定義がとても簡潔で良い。 〈少女〉……〈認識行為〉と〈主体性〉を封印し、繭にこもって王子様を待つ少女 〈非…

少女漫画の1970年代――『メッシュ』以前

一般的に語られる「24年組らしい」と思われる要素は以下のものを基準にしていることが多いのではないでしょうか?そして、それを古き良き少女漫画と思っている人も多いのでは。しかし、それはすべて『メッシュ』で覆されています。少女漫画の1980年代を振り…